イルミネーションがきらびやかになり
クリスマスソングが街中で流れる季節になりました。
クリスマスソングと言えば,誰のどの歌を思いつきますか?
マライア・キャリー?
アリアナ・グランデ?
山下達郎?
王道のフランク・シナトラやナット・キング・コールの歌う
クリスマスソングも素敵ですね。
ついつい,口ずさんでしまうクリスマスソングですが
先日,気持ちよくある曲を口ずさんでいたら
「なんか上手くいかないなあ」と思う瞬間がありました。
ある部分の音が分からなくなり歌が続かないのです。
特別高かったり,低かったりというわけでもなく,
元の曲を聴きながらだと歌えるのに
自分ひとりで歌おうとすると音が出てこない。
ピアノで音を探してみると,「それらしい」音は見つかります。
ただ,なんだか違う。
もちろん,歌手は音を外しているわけではありません。
ではこの音は?
あまりに気になったので,少し調べてみると
私がとれなかった音はどうも微分音らしい
という結論に至りました。
微分音とは?
普段,私たちに馴染みがあるのは,
十二平均律という,1オクターブを12等分した音です。
ピアノの鍵盤で分かれている音ですね。
ただ,これは1オクターブの音を便宜上12等分しているだけなので,
たとえばピアノの鍵盤にはない
「シとドの間の音」というものも存在するわけです。
つまり,「シとドの間の音」のような
平均律をもっと細かく分けた音が微分音とよばれる音です。
おそらく,私が音を再現できなかった理由は
平均律の音に慣れすぎていて
平均律では再現できない音(微分音)を
聞き取れず,再現できなかったから
ということのようです。
微分音は,平均律に吸収されてしまっているので
微分音に近い平均律の音で歌うこともできますが,
やはり微分音にすることで,微妙なニュアンスが加わって
その歌がぐっと良くなるような気がします。
音楽科担当にも聞いてみました。
時代はさかのぼりますが,音楽CDが出始めたころ,
ある人に「CDを聴いてみたが今までとなんだか違う,
どちらかというと前の(アナログ)の方が良かった。
自分がおかしいのかな」ときかれました。
「くわしいことは専門家でないので説明ができませんが,
アナログ音源をデジタル処理する際に容量の関係などで
カットされる音があるみたいですよ。
連続したもの(アナログ)と段階的なもの(デジタル)の
違いみたいです」と答えたところ,納得してくれました。
色と色との間には無限の色があるように,
音と音との間にも無限の音がありますよね。
―音楽科担当Tさん
無限の音の中に,
デジタルでは再現できない美しさや心地よさがあるのかもしれません。
今年の冬はちょっと音を気にして過ごしてみようと思います。