まず出版社から企画を受注します。具体的には、出版社の担当者から依頼を受け、打ち合わせで企画概要やスケジュールを確認します。ここからプロジェクトが始動します。
企画そのものの立案から受注することもありますが、その場合は「だれに向けて、どんな本を作るか」を考え、企画会議と企画書作成を重ねたうえで内容を詰めていきます。
原稿は、各教科に精通したプロが執筆します。プロジェクトのねらいに沿って、担当の編集者が執筆することもあれば、外部の執筆者に原稿執筆を依頼することもあります。
執筆と平行して、必要に応じてイラスト・写真などの手配や、取材(撮影)や録音を行います。また、デザイナーと相談しながらデザイン見本を制作します。
執筆者から上がってきた原稿をチェックします。この時に、プロジェクトのねらいに沿っているか、執筆要領に合わない要素がないかを中心にチェックします。
また、表現や表記が適切かどうかなども確認しながら必要に応じて修正し、出版社の担当者と共同作業で内容を詰めていきます。
原稿の内容が固まったら、いよいよ入稿です。レイアウトやフォント、写真やイラストなどを指定した「入稿原稿」を組版会社に送ります。
組版会社から、体裁や字句をチェックするための校正刷り(初校)が届きます。初校では、誤植や表記を正す文字校正や、体裁を修正するデザイン校正を中心に行い、必要に応じて内容も吟味します。
修正すべき部分には朱字を入れていき、朱字をまとめた「初校戻し校」が組版会社へ送られます。
組版会社から、初校の際に加えた朱字を修正した校正刷りが再び出てきます。これを再校といいます。再校のさらにあとは,三校といいます。
再校以降では、初校の朱字どおりに修正されているかを確認しつつ、同じように校正をして朱字を加えていきます。そして、組版会社へ修正をお願いします。
校正を繰り返し、修正箇所がなくなった状態を「校了」といいます。 校了すると、いよいよ印刷に進みます。
最後に製本前の刷り上がりや色を色校校正でチェックし、最終的な修正がないかを確認。修正がなければそのままデータが印刷会社に送られ、本ができあがります。
印刷会社への手配や製本の確認は出版社がすることが多いので、編集者としての仕事は、色校校正で終了となることがほとんどです。